知人の電話雑談から教わる

ベンツの社長は自分でベンツを運転して出社するという話から、日本では企業のトップから末端まで「サラリーマン化」している傾向に展開した。エーリッヒ・フロムの名前も、もう何十年も聞いていなかったが、今日電話で、話したいと言ってきた知人の治田さんの言葉で思い出した。彼は浦和高校時代に友達から「愛すること」という一書を紹介されて読んだとのことで、その話になった。

いい時に、いい本を読んでいた治田さんは、その人生をその本のまま生かしてきたのではないかという気にさせられた。実に適切に、僕の現状を言い当ててくれてうれしいと共に、おおいに参考になった。思い当たるのは例えば、こちらが美大出だけに、内に籠る(こもる)性格に傾きやすいことで、それがメディア人種などとの社交の拡大を阻んでいるということ。考えさせられる。

残す仕事は、50年から100年後を見通して今の時代を総観し、言葉に託す、作品に残す、行動記録に残すというような総合化であってよい、という後押しを貰ったが、人を褒めるのが本当に上手。その発信の仕方について話しているうちに、フロムが出てきたし、友人、知人の経験談が出てきて、改めて教わることが多かった。