石原慎太郎の死後出版から

石原慎太郎の死後出版から

 

行き詰った人生をどうしようもない。この気持ちが自分だけではないようだ、ということを石原慎太郎の「『私』という男の生涯」という死後出版から感じた。

家内が買っていて、ちゃんと読んだのか、捨ててくれという廃棄書類の中にあった。全部を読んだのではない。最後のⅩⅣ、ⅩⅤだけだが。

「老化は一種の希薄化された死であり、死という瞬間への減速装置であって、言葉では表現不可能な死という瞬間を時間の経過の中に溶かして伝達する作用だろう」と述べている。

全く異存はない。自分の気持ちと同じだ。石原ほど現実の知名度が高くても、死を前にした一人の男としての存在感は同じようなものだ、と感じざるを得なかった。

全部を読まないで感想を述べるのは失礼だが、このために前の全部の記述があると思わざるを得ない。20240324