「人文知を軽んじた失政」

「人文知を軽んじた失政」という記事が朝日新聞にあった。(20200426)。藤原辰史という人で1976生まれで44才、京大人文科学研究所准教授ということで、寄稿として取り上げられたのだろうが、文章はうまくない。言っていることはほぼ同感なのだが、引用や事例が飛びすぎていて、ちょっと立ち止まって前後に戻らないと、言っていることが納得しにくい。

それはともかく、Hatena Diary の方で書いたこと(20200426)と同じなのだが、この「人文知を軽んじた失政」という言い方が、極めて的確に自分の思いに繋がっていることは確かである。

藤原氏は被害者を「(経済的)弱者」という捉え方をしているようだが、本人も含むなら「人文知を軽んじられる弱者」も組み込まねばならないだろう。それで初めて、現状の政治家、経済人がもたらしたグローバル経済、金融経済優先主義への爪を立てることになる。

それでも「人文知」と言った時に藤原氏に、「芸術」「デザイン」などへの思考や配慮があったようには思えない。共感する論考でも、又ひとつ核心から離れているような、我々の世界が感じられる。これからやることに難しさを感じないわけにはいかない。