松方の百年

簡単に区切れば、1850~1950の100年間は、近代絵画の興隆期であった。

こう区切ったのが、この9月23日まで国立西洋美術館で行われた「松方コレクション展」の元祖、松方幸次郎の生誕が1866、没年が1950だったことにも掛けられると感じたからでもある。もっともコレクション作品は1870~1920年代が中心だが。

実に多くの画家がいた、それも画才があると読めるが、知られていない。改めてカタログを見ている。これは松方が、作家名に囚われず、気に入った絵を買い集めたからだろう。印象派を頂点とする絵画がまだ、疑いも無く画家たちのキャンバス(という作画平面)に留まっていられた時代だった。