最近の出来事を報告(七夕会へ)

七夕が過ぎた。

一年に一回、集まっている会があり、8日にそれがあった。

一回なので「七夕会」とするようになったが、この集まりは、19年前に「ヨーロッパの21世紀を覗く旅」として建築設計界の有力者たちによって企画されたものだった。

とても思い出深い旅で、これを機会に毎年一回集まろうということになって続いている。

それにしてもかなりの人たちが亡くなっている。まとめ役をやっている建築画報社の桜井旬子さんが、徐々に知人をつぎ込んできたが、旅の生き残りとしては、いつの間にか自分が主役の一人になってきている。

そこで、出席するからには近況報告でもしようということで、最近の記憶に残る出来事をメモして出席者に渡したのが以下の記事である。参考までに添付する。

なお、3項で言っている「没原稿」は、この後、添付します。

 

 

七夕会の皆様への近況報告                   大倉冨美雄 

  

1・軽井沢はどうなる?

マツコの番組で軽井沢を紹介していて「いいわねえ」と言っていたが、万平通りに土地と別荘を持っている立場では、これからどうしようと、楽しいが悩んでいる。

希望としては築45年のスエーデン・ハウスが健在なので、リノベして1階はミニ・ギャラリーにしたいのだが、一度来たら、もう来る人がいない?では困るし、管理の問題もある。

 

2・神田順さんとセミナーして

大田区長に立候補して落選。東大名誉教授にしては青臭いところが縁なのか、今年も当方企画のNPO日本デザイン協会セミナーに参加して頂いた。テーマはご本人が言い出していた「イタリアン・セオリー」を、この国の問題視点から解き明かそうというもの。担当の建築家協会デザイン部会長が「日本型規制社会と知的生産」という難しいメイン・タイトルにしたが、関心ある人には興奮を与えたようだ。近々、協会HPにアップされる。

 

3・百年目の「意匠」での受賞

信じがたいが、権威ある科学分野専門のはずの恩賜財団発明協会に「意匠部門」があり、そこが大正八年(1919)以来百年目にして初めてトップの「恩賜発明賞」を頂いた。総裁は常陸宮様。貰ったのは、日立製作所のイギリス向け高速鉄道車両のデザイン。インダストリアル・デザイナー協会理事長経験などから現在、私が意匠審査部門長をしているが、この経過を新聞発表にと送ったが採用されず。その没原稿を一緒に着けます。

 

4・レオナルド没後五百年

こういう期に乗ろうとしているわけではないが、レオナルド・ダヴィンチは昔から、勝手を知っている盟友のように思ってきた、というのは自惚れもいいところか。

文芸春秋7月号のエッセー欄に、塩野七生さんが上記見出しで書いているが、親近感を覚える。

彼女は、卒論のころから「世の中には天才、秀才、一般人しか存在しない」という想いがあったとのこと。それに自分を合わせていく内容だが、「自分の仕事場に、『死ぬか生きるか、命のやりとりをするような維新の志士の如き烈しい精神で文学をやってみたい』という夏目漱石の一文が貼ってある」。「これが、まだ生きている間はマネしたいと願っていること。そして死が近づいてきたら、今度はレオナルドに登場してもらう」と。

「『うまく使った一日の後には快い眠りが訪れるのに似て、うまく使った一生の後には安らかな死が訪れる』

悪くないでしょう。マネすると言ったってそんじょそこらの才人の真似ではなくて、超一流の人のマネなんですから」。

羨ましいですね。こちらも頑張ろうか。                20190708